家族から「代わりに手紙を書いてほしい」と頼まれたとき、どんな文章にすればよいのか迷ってしまうことがありますよね。
伝えたい内容はわかっていても、自分の手紙ではないと思うと、言葉の選び方が難しく感じるものです。
さらに、最後の名前は本人だけでよいのか、代筆したことを書いたほうがよいのかなど、普段あまり意識しないマナーも気になるのではないでしょうか。
代筆で大切なのは、文章をきれいに整えることだけではありません。
本人が伝えたい気持ちをくみ取り、その人らしい言葉に整えながら、相手にもわかりやすい形で届けることがポイントです。
また、代筆であることを相手に伝えたほうが自然な場合もあります。
この記事では、代筆の手紙を書く基本的な流れから、署名の考え方、代筆であることの伝え方、シーン別の例文までわかりやすくまとめました。
メールやLINEを代わりに入力するときのポイントについてもご紹介しますので、「どう書けば失礼にならないのかな?」と迷っている方は参考にしてみてくださいね。
代筆の手紙を書くときに大切な基本

代筆というと、本人が話した内容をそのまま文字にすればよいように感じますよね。
けれど実際には、話し言葉をそのまま文章にすると、少しわかりにくくなったり、本人らしさが薄れてしまったりすることがあります。
まずは、代筆するときに大切にしたい基本から確認していきましょう。
本人が伝えたいことを最初に整理する
代筆を頼まれたら、いきなり文章を書き始めるのではなく、最初に「誰に」「何を」「どんな気持ちで伝えたいのか」を整理すると書きやすくなります。
たとえば、お礼の手紙なら、単に感謝を伝えるだけなのか、それともプレゼントを使っている様子や近況まで伝えたいのかによって内容が変わります。
本人に確認するときも、難しく考える必要はありません。
「一番伝えたいことは何?」
「特にお礼を言いたいのはどの部分?」
「近況も少し書いておく?」
というように会話しながら聞いていくと、文章に必要な内容が自然と見えてきます。
先に伝えたいことを整理しておけば、代筆する側が想像だけで文章を付け足してしまうことも防ぎやすくなりますよ。
本人らしい言葉や雰囲気を意識して書く
代筆では、文章として正しいかどうかだけでなく、「本人が普段使いそうな言葉か」を意識することも大切です。
普段とても親しみやすい話し方をする人なのに、代筆した手紙だけ急にかしこまった文章になっていると、受け取った相手が少し違和感を覚えることがありますよね。
反対に、目上の方へのお礼状なのに、普段の会話そのままのような文章では軽く感じられる場合もあります。
本人らしさを残しながら、手紙として読みやすい表現に整えるくらいがちょうどよいでしょう。
たとえば本人が「本当にうれしかったよ。ありがとうって伝えて」と話していたなら、
「このたびは心のこもったお品をありがとうございました。とても喜んでおります」
など、その気持ちを自然な文章へ置き換えることができます。
本人の話し方を完全に再現する必要はありません。
読んだ人が「本人の気持ちなんだな」と感じられる文章を目指すと考えると書きやすいですよ。
代筆する人の考えを入れすぎない
本人の気持ちを文章にしているうちに、「こう書いたほうが感じがいいかも」と内容を付け足したくなることもありますよね。
ただ、代筆では代筆者自身の意見や気持ちを入れすぎないことも大切です。
本人が言っていないことまで書いてしまうと、本人の意図とは違う手紙になってしまう可能性があります。
特に、相手との過去の出来事や人間関係に関する内容は、代筆する側だけの判断で書かないほうが安心です。
文章をきれいに整えることと、内容そのものを作り変えることは少し違います。
迷った部分があれば、「ここはこう書いても大丈夫?」と本人に確認しながら進めるとよいでしょう。
代筆者は文章の主役ではなく、本人の気持ちを伝えるお手伝いをする立場、と考えるとわかりやすいですね。
代筆の手紙はどんな流れで書けばいい?

「伝えたいことは聞いたけれど、どこから書けばいいかわからない」ということもありますよね。
そんなときは、最初から完璧な文章を作ろうとせず、いくつかの順番に分けて考えると簡単です。
誰に何を伝えたいのかを決める
まず確認したいのが、手紙を送る相手と目的です。
同じお礼の手紙でも、親しい親戚に送る場合と、お世話になった目上の方に送る場合では文章の雰囲気が変わります。
たとえば、
| 確認すること | 内容の例 |
|---|---|
| 誰に送るか | 親戚、友人、知人、お世話になった方 |
| 何を伝えるか | お礼、近況、季節のあいさつ、簡単な連絡 |
| 特に伝えたいこと | うれしかったこと、感謝していること |
| 文章の雰囲気 | 親しみやすく、丁寧に、少しかしこまって |
この4つくらいを整理しておくだけでも、文章を組み立てやすくなります。
本人が話している内容をメモしてから文章にする方法もおすすめですよ。
あいさつ・本題・結びの順に文章を整える
手紙は、大きく「あいさつ」「本題」「結び」の順に考えるとまとまりやすくなります。
たとえばお礼状なら、
「お元気でお過ごしでしょうか」
という簡単なあいさつから始め、
「先日は素敵なお品をありがとうございました」
と本題へ進みます。
そのあとに、本人が喜んでいる様子や伝えたい気持ちを加え、
「季節の変わり目ですので、どうぞお元気でお過ごしください」
などの言葉で締めると、自然な手紙になります。
親しい相手なら、もう少し短くても問題ありません。
大切なのは、形式を守ることだけに気を取られず、相手が読みやすい流れにすることです。
完成した文章を本人と一緒に確認する
文章ができたら、できるだけ本人にも一度確認してもらいましょう。
代筆した側では自然に感じる文章でも、本人からすると「私はこんな言い方はしないかな」と感じることがあります。
特に確認したいのは、相手の名前や漢字、伝える内容、最後の署名などです。
声に出して読んでみるのもおすすめです。
文章を目で追っているだけでは気づかなかった不自然な部分が見つかることがありますよ。
本人が確認できる状況なら、最終的に「これなら自分の気持ちが伝わりそう」と思える文章になっているか確かめてから送ると安心です。
代筆した手紙の署名はどう書く?

代筆するときに特に迷いやすいのが、最後の署名ですよね。
「本人の名前を書けばいいの?」
「自分の名前も必要?」
と悩む方もいるのではないでしょうか。
署名の形にはいくつかありますが、相手との関係や手紙の内容によって、わかりやすい方法を選ぶことが大切です。
本人の名前と「代」を使う基本的な書き方
本人に代わって手紙を書いたことを示す方法として、「代」を添える書き方があります。
たとえば、山田太郎さんの手紙を山田花子さんが代筆した場合には、
山田太郎
代 山田花子
というように、本人の名前と代筆者の名前がわかる形にします。
「代」は、本人に代わって書いたことを相手にもわかりやすく伝えたいときに使いやすい表記です。
ただし、日常的な家族間の手紙などでは、必ずこの形にしなければならないというわけではありません。
親しい間柄なら、文章の最後に「この手紙は花子が代筆しました」と自然に添える方法もあります。
相手が見たときに「誰の気持ちを、誰が書いた手紙なのか」がわかることを意識するとよいでしょう。
「内」を使う場合との違い
代筆の署名について調べていると、「内」という文字を見かけることがありますよね。
「内」は、本人の身近な人が本人に代わって書いたことを表す際に使われてきた表記のひとつです。
ただ、普段あまり手紙を書かない方にとっては、「内」とだけ書かれていても意味がわかりにくいことがあります。
そのため、個人的な手紙では無理に昔ながらの表記に合わせる必要はありません。
誰が代筆したのかわかりやすくすることを優先して、
「代筆 山田花子」
などと書く方法も自然です。
形式だけにこだわるよりも、受け取る相手が戸惑わない書き方を選ぶとよいですね。
家族が代筆したときの名前の書き方
親や祖父母など、家族から頼まれて代筆するケースも多いでしょう。
親しい親戚や友人への手紙なら、本人の名前を書いたあとに、
「代筆 娘・花子」
「娘の花子が代筆いたしました」
などと添えると、関係性もわかりやすくなります。
たとえば文末なら、
「母に代わりまして、娘の花子が代筆いたしました。」
という書き方もできます。
相手が家族構成をよく知っているなら、「娘が代筆しました」程度の短い説明でも伝わるでしょう。
反対に、代筆者と相手が面識のない場合には、名前や本人との関係を少し丁寧に書いておくと親切です。
代筆者の名前も添えたほうがわかりやすいケース
代筆者の名前を書くかどうかは、相手との関係によって考えることができます。
たとえば、受け取った相手が筆跡を知っている場合、本人の名前だけが書かれていると「いつもと字が違うけれど、誰が書いたのかな?」と戸惑ってしまうかもしれません。
そのような場合には、代筆者の名前を添えたほうが自然です。
また、本人と代筆者の両方を知っている相手なら、誰が書いたのか明記したほうが安心して読んでもらえるでしょう。
一方、ちょっとしたメッセージカードなど、代筆であることがそれほど重要ではない場面もあります。
手紙の内容や相手との関係を考えながら、「相手が読んだときに不自然ではないか」を基準にすると選びやすいですよ。
代筆であることはどう伝える?自然な書き方

代筆したことを相手に知らせたいと思っても、文章のどこに書けばよいのか迷いますよね。
代筆であることは、冒頭や文末などに短く添えるだけでも自然に伝えられます。
冒頭で代筆していることを伝える方法
最初に代筆であることを知らせておきたい場合は、あいさつのあとにひと言説明するとわかりやすくなります。
たとえば、
「母よりお伝えしたいことがあり、娘の私が代わって筆を取らせていただきました。」
というような形です。
もう少しやわらかい文章なら、
「母に代わって娘の私が書いております。」
でも十分伝わります。
冒頭で伝えておくと、相手も「これは本人の気持ちを家族が文章にしているんだな」と理解したうえで読み進めることができます。
普段の筆跡と違うことにも戸惑いにくくなりますね。
文末にひと言添える方法
代筆について最初に説明すると文章が少しかたく感じる場合は、最後に伝える方法もあります。
たとえば、
「なお、この手紙は本人の話を聞きながら、娘の花子が代筆いたしました。」
というように添えます。
本文は本人の言葉として自然に読んでもらい、最後に誰が書いたのかを伝えられる方法です。
親しい人への手紙なら、
「母から聞いた内容を、娘の花子が代わって書きました。」
というくらいの表現でもよいでしょう。
代筆の説明そのものが目立ちすぎないので、気持ちを中心に伝えたい手紙にも取り入れやすい方法です。
相手が戸惑わないよう送信者を明確にする
代筆するときに大切なのは、形式以上に「誰から届いたものなのかわからない」という状態を避けることです。
本人名義なのか、代筆者名義なのかが曖昧だと、相手が返事をするときに困ってしまう場合がありますよね。
特に、代筆者と相手に面識がない場合には、
「〇〇の娘の△△です」
というように関係を説明するとわかりやすくなります。
手紙の内容によっては、返信先について一言添えておく方法もあります。
難しい表現を使う必要はありません。
相手が安心して読めるように、誰の気持ちを誰が文章にしたのかが伝わる形を意識するとよいでしょう。
代筆するときに気をつけたいポイント

代筆では、文章をきれいに仕上げること以上に、本人と相手の関係を大切にすることがポイントです。
良かれと思って書いた内容でも、本人が望んでいなければ困らせてしまうことがあります。
ここでは、書く前や送る前に確認しておきたいポイントを見ていきましょう。
本人が話していない内容を付け足さない
代筆していると、「もう少し詳しく書いたほうが伝わりそう」と感じることがあります。
ただし、本人から聞いていない内容を想像で付け足すのは避けたほうが安心です。
特に、
「とても楽しみにしています」
「ぜひ近いうちにお会いしたいです」
など、本人の今後の予定や気持ちに関わる言葉は、本人が実際にそう考えているか確認してから書きましょう。
文章を読みやすくするために言葉を整えるのは問題ありませんが、本人の考えそのものを作ってしまわないことが大切です。
相手との距離感に合った言葉を選ぶ
手紙では、相手との関係によってちょうどよい言葉遣いが変わります。
たとえば長年付き合いのある友人への手紙なら、丁寧すぎる文章よりも、普段に近い自然な言葉のほうが気持ちが伝わる場合があります。
一方、お世話になった方やそれほど親しくない相手なら、少し丁寧な言葉を選んだほうが安心です。
「正しい敬語を使わなくては」と考えすぎる必要はありません。
普段の関係を思い浮かべながら、「本人が直接話すならどのくらい丁寧に話すかな?」と考えると、文章の雰囲気を決めやすくなりますよ。
個人的な情報を書きすぎない
代筆者は本人からさまざまな事情を聞いていることがあります。
しかし、そのすべてを手紙に書く必要はありません。
たとえば近況を伝える場合も、本人が相手に知らせたい範囲だけを書くようにします。
本人が話してくれた内容だからといって、すべて相手にも伝えてよいとは限らないんですね。
「この内容も書いて大丈夫?」と迷ったときは、本人に確認してから加えると安心です。
また、代筆者自身やほかの家族についての情報も、必要以上に書かないようにするとすっきりした文章になります。
名前・日付・漢字などを送る前に確認する
文章が完成するとほっとして、そのまま封筒に入れたくなりますよね。
でも、最後にもう一度確認しておきたいのが、名前や漢字などの基本的な部分です。
特に人の名前は、同じ読み方でも漢字が違うことがあります。
手紙の内容が丁寧でも、名前を間違えてしまうと気になってしまいますよね。
宛名、本人の名前、代筆者の名前、日付などを最後に確認しましょう。
メールの場合は宛先、LINEなどの場合は送信する相手も確認しておくと安心です。
【シーン別】代筆の手紙に使いやすい例文

ここからは、代筆をすることがありそうな場面ごとに文章例をご紹介します。
そのまま使うというよりも、本人の言葉や相手との関係に合わせて少しずつ変えて使うと、より自然な手紙になりますよ。
親に代わってお礼の手紙を書く場合
親が親戚や知人から贈り物をいただいたときなどは、感謝の気持ちを中心に文章を作るとまとまりやすくなります。
例文
先日は心のこもったお品をお送りいただき、ありがとうございました。
とても素敵なお品で、母も大変喜んでおります。
いつもお気遣いいただき、本当にありがとうございます。
まだ暑い日が続きますので、どうぞお体を大切にお過ごしください。
なお、この手紙は母から聞いた内容を、娘の花子が代筆いたしました。
このように、最初から最後まで「娘である自分」の視点で書く必要はありません。
本人の気持ちを中心に文章を作り、最後に代筆であることを伝えると自然です。
子どもに代わってプレゼントのお礼を書く場合
小さな子どもがプレゼントをもらったときは、保護者がお礼を伝えることもありますよね。
この場合は、大人同士の手紙として丁寧にしすぎるよりも、子どもが喜んでいる様子が伝わる文章にすると温かみが出ます。
例文
先日は素敵なプレゼントをありがとうございました。
届いてすぐに箱を開けて、とてもうれしそうにしていました。
気に入ったようで、毎日のように楽しんでいます。
いつも温かく見守ってくださり、ありがとうございます。
本人からも「ありがとう」と伝えてほしいとのことでしたので、代わってお礼をお伝えします。
子ども本人の言葉がある場合は、その内容を自然に添えるのもよいでしょう。
ただし、本人が言っていない言葉を「子どもがこう言っていました」と作らないことが大切です。
家族に代わって季節のあいさつを送る場合
年賀状や暑中見舞いなど、季節のあいさつを家族に代わって書くこともあります。
この場合は長文にする必要はなく、近況と相手を気遣う言葉を簡潔にまとめると読みやすくなります。
例文
暑い日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
こちらは変わらず元気に過ごしております。
なかなかお会いする機会がありませんが、またゆっくりお話しできる日を楽しみにしています。
まだまだ暑さが続きそうですので、どうぞお元気でお過ごしください。
今回は母に代わり、娘の私が代筆いたしました。
親しい相手なら、季節の決まり文句をたくさん入れるより、普段の会話に近い文章にするのもよいですね。
上司などに代わって簡単な連絡をする場合
仕事で上司などに代わって簡単な連絡文を作成する場合は、「誰の代理で連絡しているのか」を最初にわかるようにしておくと親切です。
例文
いつもお世話になっております。
〇〇に代わりまして、△△よりご連絡いたします。
先日お話ししておりました資料につきまして、〇月〇日にお送りする予定です。
お待たせして申し訳ありませんが、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
仕事の連絡では、気持ちを込めようとして文章を長くするよりも、誰からの連絡なのか、何を伝えたいのかがすぐにわかる文章のほうが読みやすいでしょう。
代筆の手紙を読みやすく仕上げるコツ

内容が決まったら、手紙そのものも読みやすく整えていきましょう。
高価な道具をそろえる必要はありません。
相手が気持ちよく読めることを意識するだけでも、十分きれいに仕上げられます。
便箋や封筒は相手や内容に合わせて選ぶ
代筆だからといって、特別な便箋や封筒を用意する必要はありません。
親しい相手へのちょっとしたお礼なら、やさしい色合いや季節感のある便箋も使いやすいでしょう。
少しかしこまった相手への手紙なら、白や淡い色などシンプルなものを選ぶと文章とも合わせやすくなります。
大切なのは、「高級なものを使うこと」ではなく、手紙の内容や相手との関係に合っていることです。
本人が普段使っている便箋があるなら、それを使うのも本人らしさが感じられて素敵ですね。
読みやすいペンと文字の大きさを意識する
手書きするときは、黒や濃い色など、文字がはっきり見えるペンが使いやすいでしょう。
万年筆でなければ失礼ということはなく、普段使い慣れているボールペンなどでも文章を丁寧に書けば十分です。
代筆では、達筆である必要もありません。
文字が多少きれいでなくても、一文字ずつ読みやすく書くことのほうが大切です。
文字を小さく詰め込みすぎず、行間にも少し余裕を持たせると読みやすくなります。
長い文章になりそうなときは、適度に段落を分けるのもおすすめですよ。
手書きとパソコンは場面に合わせて使い分ける
代筆というと手書きを思い浮かべる方も多いと思いますが、必ずしもすべて手書きにする必要はありません。
文章が長い場合や、手書きでは読みづらくなりそうな場合は、パソコンで作成する方法もあります。
一方、お礼状や親しい人への手紙などでは、手書きの文字に温かさを感じる方もいるでしょう。
どちらが正解というわけではないので、
「相手が読みやすいか」
「本人の気持ちに合っているか」
「どんな場面で送るものなのか」
を考えて選ぶとよいですね。
パソコンで本文を作り、最後の名前や短いひと言だけ本人に書いてもらう方法もあります。
メールやLINEを代筆するときに意識したいこと

今では、手紙だけでなくメールやLINEなどの文章を家族に代わって入力する機会もありますよね。
基本的な考え方は手紙と同じですが、デジタルならではの注意点もあります。
最初に誰が入力しているのかわかるようにする
本人の代わりにメールやLINEを書く場合は、できるだけ最初に誰が入力しているのかわかるようにすると親切です。
たとえば、
「母に代わって娘の花子が入力しています。」
「〇〇に代わりまして、△△からご連絡しています。」
などと短く伝えれば十分です。
特に本人のスマートフォンなどから送る場合、相手は当然本人が入力していると思う可能性があります。
あとから「実は家族が書いていました」とわかるより、最初に説明しておいたほうがお互いに安心ですよね。
本人の言葉と代筆者の言葉を混ぜすぎない
メールやLINEは会話に近い感覚で書けるため、代筆者自身の言葉が入りやすくなることがあります。
たとえば、
「母もそう言っていますが、私も本当にそう思います」
というように途中から代筆者自身の気持ちを書くと、誰の言葉なのかわかりにくくなることがあります。
本人の内容を伝える部分と、自分自身が伝える部分がある場合には、
「ここからは私からになりますが」
など、区切りがわかるようにすると読みやすくなります。
基本的には、代筆している間は本人の気持ちを中心にまとめるとすっきりしますよ。
送信前に宛先と文章をもう一度確認する
紙の手紙と違い、メールやLINEはボタンを押すとすぐに相手へ届いてしまいます。
そのため、文章を書き終えたら送信前に一度立ち止まって確認することが大切です。
特に確認したいのは、
宛先が合っているか、名前を間違えていないか、本人が伝えてほしい内容になっているか、代筆であることが必要に応じてわかるようになっているか、といった部分です。
本人が確認できるなら、送信ボタンを押す前に画面を見てもらうと安心です。
少し手間に感じても、送ったあとに慌てるより確認しておくほうが気持ちもラクですよ。
代筆の手紙についてよくある疑問
ここまで代筆の基本的な書き方をご紹介してきましたが、実際に書こうとすると細かな疑問も出てきますよね。
最後に、代筆するときに迷いやすいポイントをまとめて確認しておきましょう。
本人の名前だけで手紙を出してもいい?
本人の名前だけで出すか、代筆者の名前も書くかは、手紙の内容や相手との関係によって考えるとよいでしょう。
たとえば家族間のちょっとしたメッセージで、相手も代筆であることをわかっている場合には、本人の名前だけでも不自然に感じないことがあります。
一方、本人の筆跡をよく知っている人への手紙や、代筆者と相手に面識がない場合などは、代筆したことを添えておくほうがわかりやすいでしょう。
迷ったら、
「受け取った相手が、誰が書いたものなのか気にならないか」
と考えてみるのがおすすめです。
相手が戸惑いそうなら、代筆者の名前や本人との関係を短く添えておくと安心ですよ。
代筆でも手書きにしたほうがいい?
代筆だから必ず手書きにしなければならないわけではありません。
短いお礼状や親しい人への手紙なら、手書きにするとやわらかな感じになりやすいでしょう。
ただ、長い文章を書く場合や、手書きではかえって読みづらくなってしまう場合には、パソコンを使う方法もあります。
大切なのは手段よりも、本人が伝えたいことを読みやすく届けることです。
「手書きじゃないと気持ちが伝わらないかも」と心配しすぎなくても大丈夫ですよ。
家族への手紙でも代筆と伝えたほうがいい?
家族や親しい親戚であれば、必ずかしこまって「代筆」と書く必要はありません。
ただし、いつも本人から直接手紙をもらっている相手なら、筆跡が違うことで驚くこともあります。
そんなときは、
「今回は母に代わって私が書きました。」
と最後にひと言添えるだけでも十分わかりやすくなります。
親しい間柄だからこそ、形式的な書き方より自然な言葉で伝えるほうが合う場合もありますよ。
代筆者からのひと言を加えてもいい?
本人の手紙を代筆したあとに、自分からも相手へ伝えたいことがある場合もありますよね。
そのようなときは、本人の文章と代筆者の文章が混ざらないように区切って書けば、ひと言添えることもできます。
たとえば、
「ここからは娘の私からになりますが、いつも母を気にかけてくださりありがとうございます。」
というように、誰の言葉なのかわかる形にすると自然です。
ただし、代筆者自身の文章が長くなりすぎると、本来の手紙の目的がぼやけてしまいます。
あくまで本人の手紙が中心であることを意識し、必要な場合だけ短く添えると読みやすいでしょう。
まとめ|代筆では本人の気持ちが自然に伝わる文章を心がけよう
代筆の手紙を書くときは、難しい表現や完璧な文章を作ることよりも、「本人が何を伝えたいのか」を大切にすることがポイントです。
まず本人から伝えたい内容を聞き、その人らしい言葉や相手との関係に合わせて文章を整えていきましょう。
代筆者自身の考えを加えすぎず、完成したら本人にも内容を確認してもらうと安心です。
署名についても、形式だけにこだわるのではなく、本人の名前と代筆者との関係が相手にわかりやすい形を選ぶとよいでしょう。
代筆であることを伝えたい場合には、冒頭や文末に短く説明するだけでも十分です。
また、手書きにするかパソコンを使うかについても、必ずどちらかでなければならないわけではありません。
相手が読みやすく、本人の気持ちを自然に受け取れる方法を選ぶことが大切なんです。
誰かの代わりに手紙を書くとなると少し緊張してしまいますが、本人の言葉をひとつずつ丁寧に拾っていけば、きっとその人らしい一通に仕上げられますよ。

